読んだやつとかの日記

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読んだ本の感想

『アリーテ姫の冒険』~ただし王様、てめーはダメだ~

アリーテ姫の冒険

アリーテ姫は賢い女の子。

父親はおまえみたいな『賢い』娘は嫁にいけないと言い、宝石に目がくらんで悪い魔法使いに娘を渡してしまう。

 

これは……ざまあ対象。

 

内容としてはステレオタイプな『女はこうあるべき』を押し付けてくる男達をやりこめてしまう話。

最近は強い女主人公の話も増えてきているので、今見るとちょっと露悪的かも。

作者も序文で書いてあるが、このお話は三十年前に出版された本なので、当時と今のそこら辺の違いを感じながら読むのもいいかも。

 

さて、悪い魔法使いのお城に囚われたお姫さまは泣いて暮らすかと思いきや、料理人を味方につけておいしいごはんを食べて意外と快適な生活を送る一方、悪い魔法使いと召使いにはまずいめしが出される。

ごはんを作ってくれる人を敵に回すと怖いね。 

 

お姫さまは魔法使いの難問を危なげなくクリアしていく。

まあそもそも鎧をガチャガチャ鳴らしてやって来る攻撃的な姿勢の騎士達が悪かっただけなのだが。

そして善い魔女のおばあさんからもらった魔法の指輪は自分の暇つぶしに使ってしまう。

 

この思い切った使い方、エリクサーをクリアするまで使わないタイプの人間にはうらやましい…。

 

 

最後「私を売った親父はぜってえゆるさねえ」と地の文で語るアリーテ姫に絶対ざまあしてやるという闇の波動を感じた。しびれるね。

 

アリーテ姫の冒険

アリーテ姫の冒険

 

 

『絵のない絵本』アンデルセン

絵のない絵本 (角川文庫)

都会の屋根裏部屋で暮らす貧しい絵描きに月が話す物語は、はっきりとした始まりや終わりがあるわけではない。

月が見るのは月が昇って沈むまでの人間たちの物語の一幕だ。

 

なんかこう……どこか詩的で雰囲気があったよ(語弊力)

物語の中で一番好きなのは第五夜の玉座の上で死ぬ少年の話でした。

 

アンデルセンは童話のイメージが合ってあまり当時生きていた人の実感がなかった。

しかし角川文庫さんの本にはアンデルセンの伝記がいっしょに載っていて、知らなかったアンデルセンの人物像が知ることができました。

伝記を読んだ後だとアンデルセンの童話をまた読んだ時に、前に読んだ時と違う気づきがあるかもしれないな…。

 

絵のない絵本 (角川文庫)

絵のない絵本 (角川文庫)

 

 

ロイスと歌うパン種

ロイスと歌うパン種

IT企業の激務に疲れたロイスが不思議な兄弟からもらったパン種でパンを作り始めると思わぬ出会いが訪れる。

 

パンを食べるのは好きだけど作ったりパンの知識があったりするわけではないので、「サワードウってなに?」と調べるところから始まりました。

サワードウっておしゃれなパン屋で見たあのパンがそうかなって思いながら読み進める。

 

後半ロイスのパン種が反乱を起こしたところは、グレムリンとかドラえもんとかみたいでエンタメ小説だけあって王道だね!とキャッキャ。

最後には一連の騒動で成長したロイスがキャリアも恋も掴んでいくのはアメリカ的な印象を受けた。築いたキャリアを無駄にしないところとか。

日本だと脱サラとか異世界転生しそうだし。

 

パンの他にもいくつか料理が出てくるのだが、ドクター・ジャイナ・ミトラのレンバスは一度食べてみたいと思った。

 

パンももちろんおいしそうだけど、小説の中で一番おいしそうだったのは、仕事に疲れきったロイスが食べたスパイシースープとスパイシーサンドウィッチのコンボ(ダブルスパイシー)でした。

 

 

ロイスと歌うパン種

ロイスと歌うパン種

 

 

読書について

読書について (光文社古典新訳文庫)

 

ちょうど調子に乗って本を買い過ぎて積ん読している状態だったので作中始めの

どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書 より、ほどよい冊数で、きちんと整理されている 蔵書のほうが、ずっと役に立つ。

という一文が胸に刺さる。ぐえー

 

ショーペンハウアーの『読書について』は簡単に説明すると、ただ読むのではなくよく考えて本を読もう、という事と、お金のために書いてある本は読むなとか、言葉の乱れ許すまじとか、解説本は読むな原書読め原書!とか書いてある。

 

個人的には匿名批評家に対する

「名乗りでよ、ごろつき。さもなければ沈黙をまもれ」

という言葉が好き。

 

新訳のおかげかどこか辛口コラムみたいでとても読みやすかったので、あまり難しい本を読まない私のような人におすすめしたい。

 

一度読んだ本を繰り返し読む事がほとんど無かったので、自分の読書法を考えるきっかけになった本でした。

 

 

読書について (光文社古典新訳文庫)

読書について (光文社古典新訳文庫)

 

 

ポテト・スープが大好きな猫

ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)

 

薄い本(そういう意味ではない)ほしいな~とアマゾンで検索した時に見つけた本。

村上春樹さんの訳というのと、我が家にも猫がいるので手に取りました。

寝る前に読もうと思って買ったので、数分でさらりと読めるやさしいお話が私にはちょうど良かったです。

絵本の文庫化で、全編カラーで挿絵が付いています。

おじいさんと猫の間に流れる穏やかな空気を感じるあたたかい挿絵。

表紙の絵が気に入って、挿絵をより楽しみたい方は絵本の方を買うのがいいかも。

 

ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)

ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)

 

 

英語多読

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

英語の多読を始めて二年ぐらいでしょうか。

始めようと思ったきっかけは、洋書安いなーとか海外の児童書面白そうとかそんなふわっとした感じです。

 最近やっと十万文字を越えたものの、変化は…うん。英語の苦手意識が薄れてきたぐらいですね。ちびっこ向けの英語のニュースも読んでみたけど目がすべることすべること……。

 

多読は気が向いたら読むという感じでしたが、まだ読んでない洋書が何冊か積んだままだったので読んでいたんですが、全然進まず……。

ページの半分も進まないうちからひどい眠気に襲われて、寝ないように立ったまま読書をしたり。

前に買ったあの本はこんなに眠くならなかったのに、なぜ……。

 

ここでちょっと初心に戻ろうと『英語多読』を再読。

読むと、読み始めたんだからと無理して読んでたのに気付き、読書途中の本は未来の自分に任せることにしました。

代わりに積んでいる別の本を読んでみたら、こちらは読めそうな感じだったので読み進めることに。

 

英語多読』は下記のNPO多言語多読さんのホームページにのっている事がほとんどですが、もう少しくわしい話とかQ&Aがのっています。

しかし、要点だけ知りたい、本なんか読んでられねえ! という人はホームページをご覧ください。多読や多観におすすめの本やyoutubeの動画も紹介されています。

 

英語多読

1.辞書は引かない
2.分からないところは飛ばす
3.合わないと思ったら投げる

というシンプルな三原則があるだけです。

 

それがわかったらむしろ、別に英語多読の本も読まなくていいしホームページも見なくていいです(暴論)

さあ君も今日から多読仲間だ!

 

英語多読|多読・Tadokuの知りたいことすべて

 

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

 

 

カフカの『変身』はなろう小説っぽいとか言ってみる

変身 (新潮文庫)

 

 最初は暗い小説と思ったらグレーゴルが意外とひょうひょうとしているのにおどろき、思ったよりぐいぐい読み進んでいって、グレーゴルの家族の変化と結末に悲しみを覚えつつ読了。

 その後に、カフカはこの作品をコメディと思って書いていたという話を見て再読。

 そう言われて読むと……コメディというか、なんだかグレーゴル、なろう主っぽい……?

 

  まず最初、気がかりな夢から覚めたグレーゴルがけっこう長い独り言でグチる。

 どうやら彼の仕事はかなり忙しいようである。

 

 そう、彼は社畜なのだ。

 

 なろうで社会人主人公だとけっこうな確率で社畜だ。日本人は疲れてるのだろうか。

 

 なぜか虫になっちゃってるのに適応しているグレーゴルは慣れない体をあれこれ動かして苦戦しつつ動き出す。

 ここなんかも人外転生系のなろう主っぽい。まず体の動かし方から入るところとか。

 

 家族や支配人が駆けつけてきて泡を食ったグレーゴルは必死になって動いてやっとドアのカギに取りつき、みんなは自分に声援を送ってくれるべきではないか、と思うグレーゴル。

 

「グレーゴル、しっかり、しっかり」ぐらいのことは言ってくれるべきなのだ。「がんばれ、ほら、錠前にとりつけ」と。

 

 私はここでクスッとしたのだが、私だけだろうか。

 

 グレーゴルが食べられるものを探ろうと食べ物を並べる妹は、工夫をこらして魔物を育成するなろうキャラか、あるいは動物番組の実験風景に見えた。

 

 まあさんざんなろう小説っぽいなどと言ったが、グレーゴルはチートも無双もざまあもなく話が終わる。

 なろう主たるにはグレーゴルには足りないものがあったのだ。

 

 グレーゴルはリンゴが背中に刺さったあたりで、家族から 追放 婚約破棄……じゃなかった、逃亡でもなんでも、家を出るべきだったのだ。

 そして道路を飛び出した先でアレにエンカウントすればよかったのだ。

 数々のなろう主を異世界に送り出した――

 

 そう、トラックである。

 

 トラック転生さえ果たせば、人生大逆転のなろう主人生が始まったはずである。

 グレーゴルの果たせなかった人外チーレムざまあ無双人生を考えると私は涙がこぼれるのである。

 

 

 ……なんてことを、この作品のファンに怒られやしないかとビクビクしながら打っている。うん、たまには違う視点で読むのも楽しいよね☆という話です。

 

変身 (新潮文庫)

変身 (新潮文庫)